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トピックス
 私について書かれたものや、私の仕事の中でも本・雑誌とは違ったものなどを、ご報告します。

市報 むさしの 2002.11
市報 むさしの 11月1日号(武蔵野市)

東京都武蔵野市の市報・むさしのに、市制施行55周年を記念した企画で、「むさしの55クロスワードパズル」を制作した。クロスワードのグリッドが“55”をかたどったもので、武蔵野市の歴史にちなんだ内容になっている


クイズマガジン 2001.4
クイズマガジン Vol.1(アスキー)

「ドンジャラ/野球盤/人生ゲーム〜みんなで遊べる 定番ボードゲームクイズ」の最後に、私に関する内容の記事が掲載されている。この雑誌では、「君の頭脳にチャレンジ!! 古典パズルで遊ぼう」という問題を出題している。また、「ネットでクイズ三昧 これからのクイズはインターネットが常識」の中では、リニューアル前のこのサイトが取り上げられている。

まだまだ奥があるボードゲームの世界
(構成・文/石井康裕)
 ここで紹介した以外にも、ボードゲームは世界中に様々なものが存在する。そんなボードゲームの魅力をボードゲームコレクターの郷内さん利いてみよう。
知らず知らずのうちに性格が出ちゃうんですよ
 東京都に住むパズル作家の郷内さんは、ボードゲームコレクターとしての一面も持っている。そこで、早速取材に訪れた郷内さんのマンションは、まさにコレクターの住処であった。
「私がボードゲームを集めだしたのは、大学生の頃。当時ホットドッグエクスプレスという雑誌で、『迷宮の招待』というコーナーがあって、そこでボードゲームを紹介していたのがきっかけですね。現在、所有しているゲームは約700種ぐらい。500ぐらいまでは数えていたんですけど、最近は数えるのが面倒でやめてしまいました」
 郷内さん一家は、現在4LDKのマンションに住んでいるが、そのうちのひとつは仕事部屋として使用、そしてこのゲーム部屋と2部屋を使い、奥様からは「2LDKとしてしか使えない」と文句を言われているそうである。実はこの部屋だけでなく、廊下にもゲームが腰の下あたりの高さまで積み上げられており、奥様がいう文句にもうなずけるものがある。
 そんな郷内さんにとって、ボードゲームの魅力とはなんなのであろうか?
「ボードゲームの魅力をズバリいうのは難しいんですけど、やっぱりいちばんの魅力は、プレーヤー同士の駆け引きでしょう。普通のボードゲームの場合、ゲームを面白くするには3〜4人ぐらいの人数が必要になりますよね。そうすると、それぞれのプレーヤーによって戦術に違いが出てくるんです。つまり、知らず知らずのうちに、その人の性格がゲームに影響を及ぼす。だから、同じゲームであってもプレーヤーが違えば、まったく違った楽しみが見出せるのです。また、ボードゲームにはビデオゲームにはない他人との触れ合いもあります。実際にひとつのゲーム盤を囲んで、ゲームに熱中するというのは、交替でコントローラーを使ってビデオゲームをするのとは違ったコミュニケーションですよね」
 郷内さんには現在8歳になる娘さんがいらっしゃるが、この娘さんと最近ゲームををやるのが楽しくてしょうがないと郷内さんは語る。
「娘も最近ゲームのルールを覚えるようになってきました。あと3〜4年もすると、高度なボードゲームを一緒に楽しめるようになりますので、そのときが待ち遠しいんですよ」
郷内さんの部屋で発見した懐かしのゲーム
タカトクの生き残り頭脳ゲーム…いまはなくなってしまったタカトクの名ゲーム。自分の玉を落とさずに相手の玉だけをいかに早く落とすかを競う。姉妹品で沈没ゲームというのもあった。
エポック社・魚雷戦ゲーム…30歳以上の男性の方なら記憶にあると思う。パチンコ球を発射し、敵の戦艦を撃破するシューティングアクション系のゲームだ。
郷内さんオススメの海外レアゲーム
ACQUIRE…アメリカ・アヴァロンヒルズ社製。土地にホテルを建てていくビジネスゲーム。これはコマがプラスチック製だが、このコマが木製のものはコレクター憧れの的。
AVE CAESAR…ドイツ・ラベンスバーガー社製。映画「ベン・ハー」のような古代ローマを舞台にした馬車レースゲーム。オークションサイトなどでも人気が高い。
MASTERPIECE…アメリカ・パーカーブラザース社製。世界の有名な絵画を売買するゲーム。実際にある世界の名画がカードになっており、見ているだけで
も気分に浸ることができる。


ダカーポ 1996.7
ダカーポ
 7月17日号(マガジンハウス)

「クロスワード、ナンクロ、ロジック…難解パズルになぜハマる!?」と題した特集記事の中で、ナンクロについて取材されたものが載っている。クロスワードについては、大先輩でもある重永博道氏が取材され、最後には同氏による「現代用語事典クロスワード」が載っているが、これが圧巻であった。

パズル作家に聞く、超難解パズル攻略の裏技
ナンクロ 手掛かりになる言葉を軸に、混乱を狙う作者との駆け引き
 ナンバーリング・クロスワード、略してナンクロ。数あるパズルの中でも、もっとも難解なのがこのナンクロである。ただし、ルールは簡単。手掛かりは各マスにふられた番号で、同じ番号には同じ文字が入る。例題は、あらかじめ1〜4にナンクロの4文字が入るというヒントが与えられているが、中にはノーヒントのものもある。
 例題のようにヒントが与えられていれば、1のマスにナ、2のマスにン、…と、素直にマスを埋めていく。すると、一番上の横行にナンク○という1時空きの単語が浮かんでくる。さあ、最後に何を入れればいいのか?
 ある文字がひらめいたら、さっそく別個所同番号にも当てはめてみる。語彙の量プラス想像力が試されるのだ。
「文字を1つずつ入れていく作業は推理小説のような味わいがあります。作り手も推理小説作家同様に手掛かりの置き方や伏線の張り方、そして罠まで考えていきます」というのは、『ナンパラ』(学習研究社)などで活躍中のパズル作家・郷内邦義さん。
 手掛かりとは、1112、1221など番号が重複した単語のことで、ノーヒントの場合は、これが大きな助けになる。ちなみに1112はオオオク(大奥)、1221はキツツキで、今ではもう使い古されて誰も使わない。
「12321、上から読んでも下から読んでも同じ言葉。シンブンシ・アイデイア・キツネツキ・タウエウタといった言葉も出回りました。この手掛かりになる言葉を探すのが、作者にとってもポイントになります」
 郷内さんが考えたものの中では12341256726(ジヨエンジヨユウシヨウ)が卓越。
「助演女優賞は、日頃あまり使わないけれど誰でも知っている言葉でしょ。できるだけ、そんな言葉を使いたい」
 ナンクロは、作り手と解く側の歩調が重なるパズルでもある。手掛かりになる言葉を軸にして全体へと広がっていくのだ。
「みんな横に見る傾向があるので、キーになる言葉は真ん中あたりに縦の方向で置いたほうが隠しやすい。僕は分かりやすく隅に置くことが多いですけどね」
郷内さんは随所に技を仕掛ける。例えば、番号のダブる手掛かりを複数用意して、どれが本当のキーワードか混乱させる。
「長い言葉が分かっても、他の場所で同じ番号が使われていなければ、あまり意味はない。初めに、どの番号が数多く使われているかをチェックするのも大事です」
 下手な作者だと、ある番号は30回出てくるのに、2回しか使われていない番号もあるといったバラつきが出る。作成者が注意しないとウ・イ・キ・ツ・ンといった文字の頻度がどうしても多くなってしまうという。
「○ンストとあると、男性はすぐパと入れたくなるから、正解はエンストにしたり。こうした駆け引きがあるので、作るのは飽きません」
 どれだけの語彙があるか、プラス、パズル的なカンが必要になってくるのが、パズル上級者の征服欲をくすぐるのだ。


電子ブック活用術 1992.10
電子ブック活用術 (メディアパル)

前回の『電子ブックで遊ぶ本』での内容が評判良かったようで、続いて取材されることになった。この時期は、データディスクマンにかなりハマっていたので、ついつい余計なことまでしゃべってしまったようだ。前もっての説明もなく、いきなり写真を撮られてしまったので、不精ひげと寝ぼけまなこがそのまま掲載されてしまった。実際はもう少し身ぎれいにしているけど(!?)。

パズル作成時の関連語検索に威力を発揮
●紙の辞書は机上のスペースを取り過ぎる

 郷内さんは、パズル制作に携わって8年、昨年からソニーのDD-1を活用している。現在所有するソフトは7本だ。
「クロスワードパズルなどをつくる場合は、当然辞書のソフトを使用するわけですが、ある事柄について、その言葉の頭から引けるものは、実際の辞書を引けばいい。しかし、頭から引けないものを調べるとき、電子ブックが非常に役立ちます。実際の辞書を引きながら、同時並行的に電子ブックも使う、電子ブックと辞書の間を行ったり来たりしています」
と、語るように、郷内さんは、数種の大きな辞書・事典類を駆使して、パズル制作に取り組んでいる。
「『大辞林』や『広辞苑』などの大型の辞書や、その他の事典類を一度に同じ机上に乗せると、場所を相当取られてしまいます。その点、省スペースという観点からも、電子ブックがもたらすメリットがあります」
と電子ブックの持つ、もう一つの重要な利点を指摘する。また、携帯性にも優れており、手軽に持って歩くこともできる。
●関連語検索に威力を発揮
 
具体的にパズルを制作する場合、どのような活用の仕方をするのかというと、
「例えば、“スペイン”というテーマでクロスワードをつくるときには、思いつくままに、関連語をまず、列挙していきます。その中で、闘牛=牛、という言葉に出くわしたようなとき、ヨーロッパ全体でどんな種類の牛がいて、そのうちスペインにはどんな種類の牛がいるか、スペインで最も多く飼育されるのはどんな種類か、といったような事柄について、関連語を検索します。そうすると、パズルに使う言葉にも大変に広がりが出てきます」
 あるテーマに関して、そこから連想される言葉を書き連ね、一つ一つ辞書で引いていくことは、手仕事であってもそう手間はかからないだろうが、関連語、派生語といった周辺までとなると、その労力は非常に大きなものとなる。ここに電子ブックの強みがある。
「関連語の検索のほか、電子ブックが有用なのは、漠然とした言葉をテーマにするような場合です。例をあげると、“夏”をテーマにして、“エ”あるいは“ウ”で始まる言葉を探す、といった場合です」
 しかし、このような場合、不満も感じているという。
「“夏”のような言葉をテーマにした場合、関連語の範囲が余りにも広くなります。中にはあんまり関係のないような言葉まで出てきてしまうことがある。そういう余分な部分を省くことができるといいのですが。また、漠然とした言葉の関連語の場合、400語を優に越えてしまう。そうすると、もう表示能力を超えてしまうわけです。この点も改善の余地があるでしょう。また、季節をテーマにするような時は、歳時記のソフトも出ないかなと思います」
 関連語数が非常に多くなる言葉、例えば“夏”だとか“光”といった言葉をテーマにして検索する場合、ただ単に“夏”という言葉がついているということではなく、条件の絞り込みによって、必要最小限の言葉だけを引き出せるような工夫が望まれるわけだ。
 また、郷内さんのような仕事での用途の場合、一つのテーマについて、という条件のほか、文字数を限定する、ということが重要になる。
「文字数の限定という点については、クロスワード事典という書物がありまして、それを活用しているのですが、先日、米国にはこのクロスワード事典を電子ブック化したソフトががあると聞きました(註「クロスワード解読事典」三修社)。クロスワードパズルをつくる場合、例えば、APPLEという単語があれば、つづりの4番目のLから始まる単語をつなげていく、というような作業をするわけです。だから、7文字で3番目にBが来るような単語、といった条件で検索することができるといいかけで、このソフトはそれが可能なのです」
 これは、郷内さんの仕事にはまさにうってつけのソフトといえる。
 さらに、郷内さんが望んでいるのは、年表など歴史的なデータが入った事典類。
「“地下鉄”という言葉は、単なる辞書で引けば、地下を走る鉄道、ということしか書いてないでしょうが、その歴史までをたどれれば、世界で最初につくられた地下鉄は、どこの国のもので、日本ではいつできて、どこからどこまで走ったのか、外国と比較するとどうだ、とか、次々といろんな要因が出てきて、クイズのネタが深まって行きます」
また、「一つの言葉から、その背景、歴史的データを引き出そうという場合、やはり百科事典にあたりたいときもあるので、例えば平凡社の世界大百科事典あたりを電子ブックにしてもらいたい。その場合、容量の問題もありますが、2〜3枚組でもかまいません。そのうちの1枚だけは、索引専門にするとか、いろいろ方法はあると思います」と語る。
 その意味では、「朝日年鑑」など、各種年鑑類も電子ブック化が望まれる。
 郷内さんが望むソフトとして、ちょっと変わったところでは、
「私たちのような仕事をしているものにとっては、言葉の頭からではなく、終わりから引いていく逆引辞典というものも、必要な道具の一つですが、この逆引辞典で言葉の解説の記述がなく、言葉そのものだけを並べたソフトが欲しいですね。頭から引いていく辞典でも、例えばアクセント辞典のように言葉だけを列挙してあるものがあります。言葉の意味を調べるのではなく、ただ言葉だけを探したいような場合にはその方が使いやすいのです」
 このほか、類語辞典、反対語辞典なども、電子ブック化して欲しいソフトだろう。

…(後略)。


電子ブックで遊ぶ本 1991.8
電子ブックで遊ぶ本 (メディアパル)

ソニーから発売された『データディスクマン』をよりわかりやすく使いこなすための解説本。今となってはまったく使っていない機械だが、当時はポータブルということもあってよく使っていた。購入して間もない頃に、同じくこの本の取材を受けた会社員時代の先輩でもある坂本伸之氏の紹介で、この取材を受けたものだった。

達人にインタビュー
電子ブック わたしの使いこなし術

●人気パズル作家のネタ元とは
 名刺交換をすると「パズル作家」という肩書きに一瞬驚く。このパズルを考案することを生業にしているのが、郷内邦義さんだ。
「パズル作家という肩書きをうたっている人はそんなにいませんが、パズルを作ることを職業としているひとは、現在では結構多いようです」
 パズルは現在、第3次ブームを迎えているところで、専門雑誌も10誌はくだらないという。そんななかで、郷内さんは売れっ子作家として、単行本、雑誌にと広く活躍している。パズルと一言でいっても範囲は広いが、郷内さんが専門にするのは、主に「クロスワードパズル」だ。もともと、学生時代に「迷路」が好きで、雑誌などに出ているものを解いていたが、そのうち「この程度のものなら自分でも作れる」と考えて、作り始めたのがこの世界に入るきっかけとなった。
 その後、出版社勤務などを経て、この世界で収入を得るようになり現在に至っている。これまでに、雑誌の連載のほか、単行本数冊を執筆するなど意欲的な仕事振り。現在の仕事の中心は雑誌がほとんど。「クロスワードパズル自体が雑誌向き」という。
 職業柄からも、言葉についての関心が深いほうで、常にさまざまな辞典(事典)やデータ本など、ネタ集めを心掛けている。
 その郷内さんがデータディスクマンを購入した動機は「片手で操作でき、複雑な手順がない、などの手軽さにひかれて」とのこと。購入してからまだ数ヶ月しか経っていないというが、かなり使いこなしている様子だ。
 これまで購入したソフトは、『広辞苑』、『現代用語の基礎知識』、『CDWord英・独・日 最新科学技術用語辞典』。
パズルを作る時には、その問題に共通した“カギ”と呼ばれるキーワードを設定する必要がある。そのカギ作りにはデータディスクマンを利用している。
 作る立場としては、このキーワードの文字にひっかかる言葉をピックアップして、設問をしなければならない。
 データディスクマンを購入するまでは、こうしたパズル作りのツールとして「日本語逆引き辞典」(大修館書房)、や「日本語尾音索引」(笠間書院)などを利用し、手作業で検索を行っていた。これが、データディスクマンの購入で、「広辞苑」を始めとした辞書を立体的に活用できるようになったという。
 たとえば、「自殺」という共通項で言葉を拾い出すと、芥川龍之介、アルルの女、川端康成、クレオパトラ、黒とかげ、…などと続く。この「アルルの女」や「黒とかげ」などという意外性が、思わぬアイデアを呼び起こすわけだ。
 このほかにも、たとえば「スケルトン」(言葉を組み合わせる遊び)というパズルでは「世界の首都名」などというテーマでも、データディスクマンを使えば一発で候補をリストアップできる。
 また、「入学○○」、「口述○○」、筆記○○」、(○○は試験)などというスリーヒントも、「後方一致」の検索機能を活用することで、簡単に作れるようになったという。今後、購入したいソフトは、『旅蔵』、『ぴあCINEMA CLUB』、『あのうたこのうた3333曲』など。
 発売してほしいソフトとしては「競馬のデータ」、各種データ本などをCD−ROMにしたものなどを挙げている。職業柄、クロスワード辞典や、語句の真ん中の文字を検索できる「中央一致」機能も搭載されると、さらに仕事が楽になる、と夢見ている。


週刊ダイヤモンド 1986.11
週刊ダイヤモンド 11月15日号(ダイヤモンド社)

「特別広告企画 いま、書斎ワープロがおもしろい!」の記事の中で、ワープロの達人5人に選ばれ、インタビューを受けた。他の4人は、妹尾河童氏、西尾忠久氏、山根一眞氏、佐久間武氏と著名な方々で、パズル作家になったばっかりの駈け出しの身としては、選ばれただけでも大変光栄なことだ。


郷内邦義さん(パズル作家)
ポータブルワープロこそパズル作家の有能なブレイン
『ひとマス2文字のクロスワード』、『立体クロスワード』、『加減四則入り乱れクロスワード』、『クロスワード殺人事件』。
 パズル作家・郷内邦義さんの作品はどれも遊びの精神に富んでいて、ただのパズルとはひと味違う。
 この遊んでる手法が、このところのパズルブームで脚光を浴びているのだ。週刊誌、月刊誌、マンガ雑誌、パズル専門誌などのレギュラーページを抱えて、睡眠時間は平均4時間ちょっとである。
 締切りを前に、机の前でまんじりともせず、という光景はない。たいてい、部屋のなかを整理したり、推理小説の新刊本をパラパラとめくったりしている。
「ただ、頭のなかのどこかは、パズルのデザイン作りにフル回転しているみたいです。そうしているうちに突然、アイデアが浮かんでくるんですね」
 あとは猛然と、紙の上に表現していくだけである。しろうと目には、限られたマス目のなかに、よくも縦横ピタリと言葉を当てはめていくものだと感心するが、この作業も慣れてくると時間の問題なのだそうである。
 ワープロ導入は去年の11月。買う前に、必要なワープロの条件をいろいろ考えていた。
「クロスワードは完全なかたちで仕上げて入稿だから、保存し、後で修正したりはしない。いったん作った作品を部分修正して再使用することもないし、保存はコピー機で十分。一般読者向けパズルには難しい言葉は出題しないから辞書機能は最低限でよし。液晶画面でも、レイアウト表示機能があれば十分。つまり、もっとも安価なポータブルワープロで十分という結論になったんです」
 さっそく秋葉原に出向いて、迷うことなく9万円也のポータブルワープロを買った。
 使ってみると、思わぬ落し穴が1つと、メリットが1つあった。
 落し穴とは、購入したワープロの外字の保存機能が5文字しかない点だ。
 クロスワードパズルの作成は、ほとんど罫線処理だけで間に合うが、迷路パズルでは行き止まり、左右への曲がり、十字路など、少なくても15の外字を作る必要があるのだ。
「足りない分をどう解決したらいいか。難問でしたが、パズルを解くつもりで考えたら3分で解決できました。最低必要と思われた15の“迷路の素”は、1つの迷路の素を2つの外字で描けば、たった4つの外字を作ればすべてすむ、ということがわかったんです」
 ポータブルワープロは、小に大を兼ねさせるちょっとした工夫で、高級機に負けない機能を発揮する。やはり道具は使いようなのである。

 メリットはポータブルワープロの辞書機能だった。
「地名・人名もよく出ますし、生活用語もけっこう豊富。一般用語は、深くありませんが、幅広く集録されているという感じで、パズル作家用の辞書としてはいいですね」
 クロスワードは、言葉を縦横に、上手に織りなすように作られていく。使うキーワードは誰もがわかる言葉でなくてはならない。
「辞書から当てはまる言葉を探すのは簡単ですが、聞き慣れないような言葉は使えません。解答者がとまどってしまいますからね。キーワードとしてふさわしい言葉かどうかを判断するとき、ワープロに変換させてみるんです。ポータブルワープロが変換できれば、その言葉は身近な言葉なんですよ」
 ワープロで遊びながら新しいパズルも思いついた。ヒントで英語を連想させ、漢字に結びつけるというものである。
「ホーユー(for you)と打つと朋友、セーフ(safe)で政府、シャドー(shadow)で車道が出るんです。セーブ(save)で西武だから、パリーグを救う(save)西武なんて語呂合わせクロスワードもできるなって、いじってるとアイデアが次から次へとわいてきますよ」
 郷内さんにとって、ワープロは有能なブレインなのである。